ヒップホップダンスバトルってどんなもの?
興味はあるけど、何から始めたらいいのかわからない。
ヒップホップダンスバトルで勝つためのコツを教えて。
こんな疑問にお答えします。
記事を書いている僕のヒップホップダンス歴は6年ほど。
これまで多くのダンスバトルに挑戦しては勝ったり負けたりを経験してきたので、そういった経験をもとに解説していきますね。
なお、記事の内容は初心者向けです。
「ヒップホップダンスをやっていてバトルにも興味があるけど、なかなか一歩を踏み出せない」
こんな方はぜひ参考にしてください。
【まずはココ】ダンスバトルの基礎知識
ダンスバトルの基本的なところからおさえていきましょう。
- ①:ダンスバトルの種類
- ②:ダンスバトルのルール
- ③:バトルの勝敗のつけ方
順に解説します。
①:ダンスバトルの種類
一般的なダンスバトルには、以下の種類があります。
- 対面式のバトル
- サークル形式のバトル
対面式は、名前のとおり対戦相手と向かい合ってバトルする方法。
サークル形式は、複数の人で”円”の形を作り、審査員(ジャッジと言います)のほうを向きながら、円の中心で踊る方法です。
またダンスバトルには、色々なジャンルの人が混ざりあっておこなう「フリースタイル(またはオールスタイル)バトル」と、ジャンルごとに分かれておこなうバトルがあります。
②:ダンスバトルのルール
ここでは、以下3つのルールを覚えておきましょう。
- 流れる音楽について
- 人数制限について
- 時間制限について
順に解説します。
流れる音楽について
まず流れる音楽ですが、バトルではその場でかかる音楽に対して、ダンサーが即興で踊り合います。
どの音楽が流れるのかは「DJ」しだいで決まり、ダンサーが事前に知っていることはありません。
「DJ」とは、バトルの音楽を流す人のことで、大会ごとにDJは変わります。
人数制限について
人数制限ですが、これも大会によって異なります。
例えば、1対1でおこなうバトルの人数制限は1人ですし、5対5でおこなう場合は1チーム5人です。
1対1でおこなう対面式のバトルを「ソロバトル」、2人以上のチームでおこなう対面式のバトルを「クルーバトル」といいます。
ちなみに、クルーバトルの人数制限が「1チーム2~5人まで」という制限のときは、2,3,4,5人のいずれかで構成されていればOKなので、2対3になるバトルもあれば3対5になるバトルもあります。
またサークル形式に関しては、1つのサークルにつき10人前後になることが多いです。
時間制限について
これまでと同じように、時間制限も大会によって異なります。
バトルの方法として、対面式のバトルは、相手と交互にムーブ(自分が踊ること)を見せ合い、それぞれのムーブを終えたら勝敗をつけます。
サークル形式のバトルでは、円を作っているダンサー全員のムーブが終わったあとに勝敗をつけます。
ムーブの回数は対面だと”2回前後”、サークルは”1回”が一般的で、1ムーブの時間が大会によって異なるわけです。
大会によっては”無制限”に踊ってよいこともあれば、30秒、45秒と決められていることもあります。
③:バトルの勝敗のつけ方
ダンスバトルには勝敗をつけるための条件がなく、「ジャッジの感性」によって勝敗がつけられます。
簡単にいえば、審査員の好みということです。
例えば、サッカーなら1ゴールで1点、体操競技なら技が決まれば評価点が入り、総合得点の高いほうが勝ちですよね。
ダンスバトルには、こういった”ゴール”や”技の評価点”がなく、ジャッジが「いいね」と思ったほうを感覚で評価するんです。
実は、これがダンスバトルの面白いところでもあります。
スポーツでは、強いほうが勝つのは当たり前ですが、ダンスは実力だけでなく、「いいね」と思わせることが勝敗のポイントだったりします。
つまり、勝敗をつけるための条件がない以上、相手が格上で実力では劣っていても、勝つ可能性は誰にでもあるということです。
実体験として、自分よりも経験や技術が優れている相手に勝ったときはすごくうれしいですし、バトルがやめられなくなります。
もちろん、それなりの技術力も評価されますが、それだけでは決まらないのがダンスバトルの面白いところです。
ちょっと長くなりましたが、ここまでがダンスバトルの基礎知識となります。
ヒップホップダンスバトルに使われる曲【定番です】
以下では、ヒップホップダンスバトルにもよく使われる定番の曲5つを紹介します。
練習にも使える曲なので、気になる曲があればぜひチェックしてみてください。
1:Ante Up Remix(feat.Busta Rhymes,Teflon,Remy Martin) – M.O.P.
Ante Upは、バトルだけでなく色々な場面で使われる曲です。
ぜひリストアップしておきましょう。
2.Jump Around – House Of Pain
疾走感のある曲ですね。
かなり有名です。
3.Hip Hop Hooray – Naughty by Nature99
みんなで体を揺らして「ヘーイ、ホー」です。
めちゃくちゃ盛り上がります。
4.Get Ur Freak On – Missy Elliott
他の記事でも紹介していますが、人気のある曲でバトルでもよくかかります。
MVもインパクトが強いので、ぜひご覧ください。
5.Scenario – A Tribe Called Quest
A Tribe Called Questは、ヒップホップダンスにおいて外せないアーティストです。
Scenario以外にも有名な曲がたくさんあるので、これを機に覚えておきましょう。
ヒップホップダンスバトルの練習方法やコツ
ヒップホップダンスバトルに興味がある方に向けて、練習方法やダンスバトルのコツを紹介します。
まずは練習方法からです。
ダンスバトルに向けての練習方法
以下の通りです。
- ①:リズムキープの練習
- ②:技をつなげてみる
- ③:セッション
なお、ダンスバトルに関してはさまざまな意見があるので、参考程度にご覧いただけたら幸いです。
①:リズムキープの練習
リズムキープとは、簡単にいうと「リズム取りを一定に保つこと」です。
まずは、ヒップホップダンスの基本的なリズム取り「ダウン」をキープしながら、できることを増やしていきましょう。
「ダウンって何?」「リズム取りってどうやるの?」という方は、ヒップホップダンスのリズムの取り方を解説【カウントって何?】をご覧ください。
具体的な練習方法です。
- その場でリズムキープできるようにする
- ダウンをキープしながら動ける範囲を広げる
- 回ったり、不規則に動いたり変化を加える
実体験として、僕はこの練習を続けていたらバトルに勝てるようになりました。
なお、「ダウンをキープしながら動ける範囲を広げる練習」に関しては、参考動画もあるのでぜひご覧ください。
参考動画:【ダウンのバリエーションを増やす練習】ヒップホップダンス上達のコツ
練習のポイントは、失敗を恐れずにどんどん挑戦することです。
もしリズムがずれてしまっても、練習中は気にしなくてOK。
リズムキープを意識しつつも、動ける範囲を積極的に広げてみましょう。
②:技をつなげてみる
リズムキープの練習をしながら、少しずつ技を入れてみましょう。
例えば、リズムをキープしたままヒップホップダンスの基本的なステップを入れてみたり、ちょっとしたテクニックでアクセントを入れてみたりです。
ポイントは、ステップや技が出てこなくても止まらないことです。
最初は、次にどんなステップや技をすればいいのかわからずに、止まったり”おなじ技”を繰り返してしまったりすると思います。
しかし、この練習をしているうちに、できることが増えたり得意な技がわかったりするので、まずは「曲を流したら踊りきる」を意識してみましょう。
なお、基本ステップに関しては以下の記事を参考にどうぞ。
③:セッション
セッションとは、複数の人と即興で踊り合う「遊び」のようなもので、①,②の応用です。
イメージは以下の通り。
セッションをやる利点は以下の通り。
- ひと前で踊ることに慣れる
- 技や音楽を共有できる
- 楽しい
バトルは基本的にひと前で踊らなければならず、1人で練習するときとは違った感覚になります。
その点、日頃からセッションを経験していると、ひと前で踊ることに慣れていくのでやってみると良いですね。
また、他のひとの踊りを見たり、いろいろな音楽を聴いたりできて、何より楽しく練習できるのも利点だと思います。
いきなり参加するには不安もあるかもですが、機会があれば積極的に参加してみましょう。
ダンスバトルに勝つためのコツ
以下の通りです。
- 音楽をしっかり聴く
- シンプルに踊る
- 負けても楽しむ
ここに関しても、あくまで個人的な意見としてまとめているので、参考程度にどうぞ。
音楽をしっかり聴く
経験上、かなり重要なポイントです。
「ダンスをするんだから音楽を聴くのは当たり前でしょ?」と思うかもですが、バトルでは特に意識するべきだと思います。
というのも、僕のように緊張しやすい人は、ふだんは聴く意識をもてていたとしても、本番で”あがってしまう”ことがあるからです。
あがっていると、聴いているようで聴いていなかったり、リズムを早取ったりしてしまうので、「落ち着いて音楽を聴くこと」を意識してみましょう。
シンプルに踊る
これも実体験ですが、シンプルに踊ることを意識すると、踊りがキレイにまとまって見えます。
“詰め込んでる感”や無駄がなくなって、ひとつひとつの動きがはっきりするからです。
よくある例で、「本番はキメてやるぞ!」と意気込みいつも以上のことをしようする人がいますが、これでは、空回りして”詰め込んでる感”が出ます。
だからこそ、シンプルに踊ることを意識してみましょう。
動きがはっきりして意外と良い踊りができます。
ここに関しても動画解説をしているので、気になる方はぜひ参考にしてください。
【シンプルに踊る練習】ヒップホップダンスがうまく見えるコツ
負けても楽しむ
コツと言えるのかわからないですが、「負けても楽しむこと」も大切です。
バトルに勝てないことが続くと、周りが見えなくなったり、ダンスイベントが楽しくなくなったりします。
それくらいダンスにのめり込んでいる点では良いかもですが、友人関係を壊したり、場の雰囲気を壊したりするのはモッタイナイです。
ダンスでは勝敗がすべてでなく、みんなが自分らしく楽しめていることが重要だと僕は思っているので、結果に左右されず「楽しむこと」は忘れずにいたほうが良いですね。
よくある質問:バトルには必ず出るべきですか?
そんなことはないです。
なぜなら、ダンスの楽しみ方は人それぞれだから。
例えば、音楽を聴いて自然にのることが好きな人や、ショー作りが好きな人は、その方法でダンスを楽しむのが一番です。
「バトルに出なきゃいけない」という決まりは特にないですね。
もちろん、バトルにはバトルの良さがあり、新しい楽しみ方ができるので、勇気を出してエントリーしてみるのもアリかなと思います。
ダンスバトルの情報を集める方法
以下の通りです。
- SNSで調べる
- Webサイトを見る
- 知り合いに聞く
順に見ていきましょう。
SNSで調べる
いまどきはSNSでもイベント情報を手に入れることができます。
おすすめはTwitterで、[ダンスイベント]と検索すればさまざまなイベント情報が手に入ります。
デメリットは、バトルイベントだけでなくダンスイベント全般の情報がたくさん出てくるので、取捨選択がちょっと面倒です。
Webサイトを見る
ダンスイベントの情報を集めるにあたり、以下2つのサイトがおすすめです。
- ETNTER THE STAGE(エンター・ザ・ステージ)
- Dance Delight(ダンスディライト)
どちらも大きなWebサイトなので、イベントによく参加するダンサーは、使っている方が多いんじゃないかと思います。
各サイトのリンクは下記からどうぞ。
知り合いに聞く
SNSやWebサイトで近くのイベントが見つからない場合は、アナログな方法ですが知り合いに聞くのが一番ですね。
特に、地方のほうだと情報をあまり拡散しないイベントもあり、見つけにくいことがあります。
というわけで、地方のイベントを探している方は、知り合いに聞く。
または、その地域で活躍されているダンサーをSNSでチェックして、アカウントをフォローしておくと情報が流れてきたりします。
ヒップホップダンスバトルの動画【おすすめ3選】
おまけ的な感じですが、ヒップホップダンスバトルの動画で個人的に好きなものを紹介します。
もし興味があればチェックしてみてください。
①:KYOGO vs oSaam FINAL Hiphop Forever 2018 JAPAN
まずは、国内外で活躍されているダンサー同士のバトルです。全部で3ランウドありますが、徐々にヒートアップしているのがわかるかと思います。
踊りがすごくドープでかっこよく、お互いをリスペクトしあっているからこその熱いバトルがたまりませんね。
②:Les Twins vs Justiciers(Kuty Rubix) WDC 2019 FINAL BEST4 HIPHOP
海外ダンサーのバトルですが、かなりおすすめの動画です。
先ほどの動画とは違い、バトルというよりはダンスを純粋に楽しんでいるような印象を受けます。
もちろんダンスのレベルもめちゃくちゃ高いですが、雰囲気がとても良いのでぜひ。
③:【ダンスバトル】ダンススタジオDOMINO主催バトル!PICK UPバトル紹介!
上の動画では、「バトルのジャッジはどのような目線で勝敗を付けているのか」を学ぶことができます。
解説者は日本を代表するヒップホップダンサー「DOMINIQUE」さんで、かなり勉強になります。
動画が長く、初心者の方には少し難しい内容かもですが、超有益なのでぜひ。
まとめ:ヒップホップダンスバトルに挑戦してみよう
記事のポイントをまとめます。
[box02 title=”ダンスバトルの基礎知識”]ダンスバトルにはさまざまな種類があり、ルールは大会によって異なる。
「ジャッジの感性」で勝敗が決められるので、格上の相手に勝つ可能性も。
[/box02]
練習方法やコツ、おすすめの動画や音楽についても紹介させていただきました。
あとは、勇気を出してエントリーするのみ。
僕もそうでしたが、最初は思うように勝てないことがたくさんあると思います。
とはいえ、練習や経験を積んでいくうちに少しづつ勝率は上がっていくので、試行錯誤しながらどんどん挑戦していきましょう。
というわけで、今回はここまでとなります。
本記事が少しでも参考になれば幸いです。