ダンスって脳にどんな効果があるの?
ダンスが脳に与える効果を知りたい。
こんな疑問にお答えします。
記事を書いている僕のダンス歴は6年ほど。
これまでにはインストラクターなどの経験があります。
今回はそんな僕が、ダンスが脳に与える効果について解説するので、興味のある方はぜひ参考にしてください。
参考書籍について
本記事は、『ブレイン・ルール 健康な脳が最強の資産である』の一部を参考にまとめています。
著者 | ジョン メディナ博士 |
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出版 | 東洋経済新報社(2020/2/21) |
では、本題に入ります。
ダンスが脳に与える効果とは?【科学的根拠あり】
『ブレイン・ルール』によると、ダンスは脳にさまざまな恩恵をもたらすといいます。
例えば、下記。
- ①:認知機能の向上
- ②:運動能力の向上
- ③:器用さの向上
- ④:免疫力の向上
- ⑤:老化防止
漢字ばかりですね(汗)。
ひとつずつわかりやすく解説します。
①:認知機能の向上
認知機能とは、ものを覚えたり記憶力を維持したりする力のことで、ダンスは認知機能を向上させるといわれています。
というのも、ダンスの特徴である「社交性(ひととの関わり)」と認知機能とのあいだには、強い関係があるからです。
実際に、ある研究で社交的なグループと社交的でないグループを比べたところ、「社交的でないグループは認知機能が70%も低い」とわかりました。
つまり、ダンスの特徴である「ひととの関わり」が、認知機能を向上させるということです。
ここでのポイントとして、たんにダンスをすれば認知機能が向上するわけではありません。
重要なのは、ダンスの特徴である「社交性」が認知機能を向上させるという点です。
いいかえれば、ダンス以外の社交性のあるスポーツでも認知機能は向上します。
ようするに、認知機能の向上に関していえば、大事なのはダンスという「運動」ではなく「社交性」です。
ちなみに「なぜ社交性が認知機能を向上させるのか」は、『ブレイン・ルール』で詳しく記載されているので割愛します。
気になる方は本書をご確認ください。
人間の脳は、他者と10分間交流しただけでも情報処理と作業記憶が向上するとわかっています。
②:運動能力の向上
なんとなく想像できると思いますが、ダンスは全身を使う運動なので、運動能力が向上します。
例えば、高齢者に一定期間のダンスを継続してもらったところ、「姿勢保持力」と「バランス力」が向上し、転倒の回数が減少したそうです。
高齢者の転倒は重大なケガのリスクがありますが、転倒予防にはダンスも効果的だということです。
③:器用さの向上
“器用さ”とは、かんたんにいえば「手足が器用に使えるか」ということですが、ダンスをすることで器用さも向上するといわれています。
ある研究では、60歳から94歳までの高齢者が半年間のダンス教室に参加したところ、参加していない高齢者に比べて協調運動(器用さ)が8%上昇したそうです。
④:免疫力の向上
ダンスをすると「免疫力」が向上します。
なぜなら、ダンスはストレス発散にも効果的だからです。
免疫力とは、風邪などのウイルスと戦ったり傷を治したりする力のこと。
免疫力の低いひとは風邪をひきやすく、ケガも治りにくくなります。
風邪の予防やケガをはやく治すためには「免疫力」が重要なわけですが、ストレスレベルが高くなると免疫力は落ちてしまうそうです。
例として、ぎすぎすした結婚生活を送っているひとと幸せな結婚生活を送っているひとで「傷が治るまでの時間」を比べた実験があります。
実験の結果、ぎすぎすした結婚生活を送っているひとの傷が治るまでには、幸せな結婚生活を送っているひとよりも1.4倍の時間がかかったそうです。
つまり、免疫力を高めるためにはストレスを小さくすることが重要。
ダンスにはストレス発散の効果があるので、免疫力が向上するわけです。
⑤:老化防止
ダンスは脳の老化防止にも効果的です。
なぜなら、ダンスによる人と人との関わりには、大量のエネルギーを消費するからです。
例えるなら、人と人との関わりは「脳のエクササイズ」で、筋トレと同じ役割を果たします。
筋トレをすると筋力のおとろえがふつうの人よりも遅くなりますね。
同じように、脳もエクササイズによって老化を防止できるということです。
脳に効果的なダンスとは?【社交性のあるダンスがオススメ】
『ブレイン・ルール』によると、脳に効果的なダンスは「どんなものでもよい」とされています。
また、ダンスに近いもので、特定の”型”を記憶しながらからだを動かせる「武術」も脳に良いそうです。
もし現在やっているダンスがあるならば、それを継続して続けること。
まだダンスをやっていない方は、ダンス教室に通ってみると良いかもしれません。
社交性のあるダンスがオススメ
もしどんなダンスがよいのかわからない方は「社交ダンス」など、社交性のあるダンスがオススメです。
というのも、すでにお話したとおり、社交性のあるダンスが脳に与える効果は大きいからです。
僕は社交ダンスをやったことがないですが、もし興味のある方はやってみると良いと思います。
下記は社交ダンスの参考動画です。
インターネットでも脳に効果がある
ダンスとは少し話がそれますが、実は、「社交性が脳に与える効果」という意味では、ビデオチャット等でも効果があるそうです。
実際におこなった実験では、画面ごしに相手の顔を見て会話をするだけでも「注意力」や「感情(いかり等)を抑制する力」が向上するとわかっています。
もし事情があって家から出られないのであれば、ビデオチャット等で会話を楽しむのもありですね。
他者交流のポイント
他者交流にあたっては、下記のポイントを意識してみましょう。
- ①:自己中心的にならない
- ②:いろんな年齢層の人と関わる
- ③:できれば現場でふれあう
各ポイントを具体的に解説します。
①:自己中心的にならない
社交性の恩恵を受けるためには、「相手の立場になって考えること」、「自分とはちがう価値観を理解しようとすること」が大切です。
なぜなら、他者理解のためには脳のエネルギーをたくさん使うから。
前半でお話したとおり、エネルギーを使う作業は筋トレと同じです。
脳のエクササイズでもエネルギーをしっかり使いましょう。
脳を鍛えるためには自己中心的ではなく、相手の考えを理解する努力が大切です。
自分の話ばかりをするのは「交流」ではなく「演説」ともいえますよね。
②:いろんな年齢層の人と関わる
他者交流にあたっては、さまざまな年齢層の人と関わると良いそうです。
理由は、年齢層がちがうひとは、自分ができていない経験をしているから。
例えば、高齢者の方はおそらく子育てなどを経験しているでしょうし、子供であれば好奇心が強くいろんなことに興味を示します。
いろんな年齢層の人と関わる意識をもつと、こういった経験や価値観を学べるわけです。
③:できれば現場でふれあう
インターネットでの交流も脳に効果があることをお話しましたが、あくまでそれは、自宅から出られない状況での手段です。
そうでなく、もし可能であるならば「現場」で直接ふれあうようにしましょう。
というのも、インターネットで交流するよりも生身の人と交流するほうが、脳の働きが良くなるからです。
実際に『ブレイン・ルール』でも、可能ならば生身の人と交流することを推奨しています。
交流にあたっての注意点
2つあります。
- ①:ストレスにならないようにする
- ②:性格を変える必要はない
順にお話します。
①:ストレスにならないようにする
人間関係がストレスにならないように注意しましょう。
人間関係がストレスになると、かえって心身がおとろえるからです。
実際、世の中にはいろんなひとがいるので、どうしても相性があわなかったり、ときには心無いことばを言われたりもあると思います。
おおくのひとは、そこで我慢しようと考えるかもですが、自分のためにならないので気をつけましょう。
②:性格を変える必要はない
交流に関しては、2つのタイプがあることを理解しておきましょう。
- 交流が好きなのにひとりでいるタイプ
- ひとりが好きでひとりでいるタイプ
ちがいはわかりますか?
交流が好きなひとは、ひとりだと孤独を感じて病んでいきますが、交流することで明るくなれますよね。
反対に、ひとりが好きなのに無理して交流しようとするひとは「ストレス」で心身が病んでしまいます。
このように、性格的に「ひとりが好き」なひとが、性格に反して広く交流する必要はないので、自分にとって大切なひとと交流するくらいでOKです。
家族や友人、また数人でも問題ありません。
まとめ:ダンスをはじめて脳を鍛えよう
記事のポイントをまとめます。
ダンスが脳に与える効果は下記のとおり。
- ①:認知機能の向上
- ②:運動能力の向上
- ③:器用さの向上
- ④:免疫力の向上
- ⑤:老化防止
はっきり言ってメリットしかありません。
なお、健康な心身を手に入れるため、これからダンスをはじめたい方には「社交性のあるダンス」がオススメです。
理由は、社交性が脳に与える効果が大きいからです。
また、他者交流するにあたってのポイントや注意点もお話したので、それらをふまえてダンスをはじめてみてくださいね。
本記事の参考書籍も下記に貼っておくので、気になる方はぜひ。
というわけで、今回はここまでとなります。
本記事が少しでも参考になれば幸いです。