ダンスの振り付けってどういうふうに考えてるの?
振り付けの考え方を教えて。
こんな疑問にお答えします。
記事を書いている僕のダンス歴が6年ほど。
これまでにはインストラクターなどの経験があります。
今回はそんな僕が『ダンスの振り付けの考え方やコツ』について解説するので、ぜひ参考にしてください。
ダンスの振り付けの考え方【5つの手順で解説】
振り付けをつくる手順は以下のとおりです。
- 手順①:ざっくりとイメージをつかむ
- 手順②:曲を決め、区切って書き出す
- 手順③:動きをいれていく
- 手順④:立ち位置や構成を合わせる
- 手順⑤:動画を撮って修正する
これまでの経験をふまえているので、何も考えずはじめるよりは効率的に完成できると思います。
とはいえ、もしやりにくい部分があれば、その都度やりやすいように進めてみてください。
では、順に解説していきます。
手順①:ざっくりとイメージをつかむ
まずは「どのように振り付けをつくりたいか」を、ざっくりとイメージしてみてください。
例えば、下記。
- アーティストの完コピをしたい
- 部分的なコピー+自作でつくりたい
- ゼロからつくってみたい
なんとなくわかると思いますが、うえから順に難易度はあがっていきます。
- 完コピ:わりとかんたん
- 部分的に自作:ちょいむず
- ゼロから:むずかしい
もし完コピをしたいのであれば、振り付けのつくり方よりも「おぼえ方」のコツを学んだほうがよいです。
また、初心者の方がゼロからつくるのはむずかしいので、「かんたんなほうが助かる」という方は、以下の記事で「振り付けのおぼえ方」を参考にしてみてください。
ダンスの覚え方を解説【振り覚えを良くするコツありです】
部分的またはゼロから振り付けをつくる方は、「どのような振り付けをつくりたいか」までイメージしてみましょう。
ある程度のイメージや参考動画があると、振り付けを形にしやすいからです。
例えば、アイドルの曲で考えるのか、本格的なダンスの振り付けなのか。
イメージが違えば、振り付けの動きや雰囲気も変わりますよね。
ざっくりでよいので、「こんな振り付けにしたいな」というイメージや参考動画を見つけましょう。
イメージや参考動画があると振り付けを形にしやすい!
手順②:曲を決め、区切って書き出す
まず選曲の方法ですが、以下を参考にしてみてください。
- イメージにちかい曲をみつける
- 参考動画とおなじ曲をつかう
- 参考動画とおなじアーティストからさがす
イメージに沿って自力で選曲できるならよいですが、むずかしい方は参考動画をもとに見つけてみましょう。
動画とおなじ曲をつかうのもよいですし、おなじ曲をつかうことに抵抗があるなら、動画でつかわれている曲のアーティストからさがしてみるのもオススメです。
「どの曲をつかうべきか」に正解はないので、イメージや出してみたい雰囲気をもとに選曲しましょう。
曲が決まったら書き出します
曲が決まったら、曲を区切って紙に書きだしますが、ちょっとわかりにくいので、下記の曲(Baby-Justin Bieber)を例にして、実際にお見せします。
この曲を区切って書きだす場合、下記のようになります。
なんとなくわかりますか?
このように、カウントや歌詞を書きだすと、曲の流れが目に見えてわかるのでオススメです。
もし「カウントってなに?」という方がいましたら、まず以下の記事をご覧ください。
ヒップホップダンスのリズムの取り方を解説【カウントって何?】
カウントや歌詞を書き出せたら、振り付け全体のイメージを書いておくと、つぎの手順が楽になります。
以下、具体例です。
なお、ソロパートや立ち位置移動をベストタイミングで構成するためには、ある程度の経験が大事だったりします。
初心者の方は、プロのダンスショーを参考にしてみましょう。
書きだすことまでできたら、振り付けの動き(一般的にいう「振り付け」)を考えていきます。
曲をカウントで区切って書きだしておくと、振り付けがつくりやすい!
手順③:動きをいれていく
いよいよ動きを入れていきます。
ポイントは以下のとおりです。
- 基本ステップをいれる
- いっきにやろうとしない
- からだを動かして考える
- 同じ動きをくり返す
- 複数人で分担する
ちょっとおおいですが、がんばってついてきてください!
ポイント①:基本ステップをいれる
やってみたい動きがなかなかでてこないときは、ダンスの基本ステップをいれてみましょう。
じつは、プロのダンサーが振り付けするときも、基本ステップをつかっていることはめずらしくないです。
参考までに、以下の記事ではヒップホップダンスのステップをまとめていますが、こういったステップをいれてみると振り付けがつくりやすいです。
ポイント②:いっきにやろうとしない
最初から最後までをいっきにつくろうとすると頭がパンクします。
手順②で書きだしたものを参考にして、部分的につくっていきましょう。
例えば、「まずは見せ場のサビを4×8、できあがったらAメロ…」のように、つくりやすい部分から進めてOKです。
ポイント③:からだを動かして考える
ぼくもついやりがちなんですが、頭で考えすぎずからだを動かすようにしましょう。
からだをうごかしながら考えていると、とっさに振り付けが思いついたりするからです。
反対に、「頭で考えていたのに、いざやってみると微妙だった」という経験もぼくはたくさんしています。
個人差はありますが、からだを動かしながら考えることがオススメです。
ポイント④:同じ動きをくり返す
同じ動きをくり返すと、見ている側がおちつきますし、ステップであることを認識しやすいというメリットがあります。
「かっこいい動きをたくさん詰めたい」と思うかもですが、ごちゃごちゃにいれすぎると、見ている側がおちつかないので注意しましょう。
「1×8は同じステップを左右にくり返そう」「ちょっと流れが悪いから、さっきのステップをもう一度いれよう」といった感じでOKです。
ポイント⑤:複数人で分担する
ふたり以上で振り付けを考えるのであれば、手順②で書きだしたものを参考に役割分担すると、すごく楽になります。
「Aさんはサビ」「BさんはAメロ」のように、可能であるならば分担してつくりましょう。
以上5つのポイントを参考にしつつ、ざっくりと振り付け全体の動きを完成させてみてください。
5つのポイントを参考にしながら動きをいれていこう!
手順④:立ち位置や構成を合わせる
振り付けが完成したら、立ち位置やソロパートなどの構成を詰めていきますが、ここでも役に立つのが手順②で書きだした紙です。
流れが目でみてわかるので、動き以外の部分を完成させましょう。
以下はよく確認すべきポイントです。
- だれをどこに配置するか
- どのタイミングで移動をするか
- 立ち位置の間隔によゆうがあるか
- ソロパートは目立ちやすいか
- ステージを広く使えているか
もしこの時点でうまくいかない部分があるなら、振り付けをみじかくしたり、立ち位置を変更したりする必要があります。
場合によっては、立ち位置をいれたうえで最初から踊ってみて、うまくいかない部分はそのつど修正することも重要です。
立ち位置や構成など、”踊らない”部分を詰めていこう!
手順⑤:動画を撮って修正する
振り付けがつくり終わったら、必ず動画を撮って確認しましょう。
実際にやってみると、立ち位置がかぶっていたり構成が見えにくかったりすることがあるからです。
動画を撮って確認しながら、以下のような細かい部分を修正していきます。
- 立ち位置がかぶってる→立ち位置をかえる
- ステップが見えにくい→重点的に練習する
- 振り付けの流れが悪い→振り付けをかえる
修正作業をやっていくうちに振り付けの完成度があがっていくので、時間があるならやっておくとよいです。
ただし、本番直前の変更はメンバーの負担になるので、直前での変更はできるだけしないようにしましょう。
細かい部分を修正しながら、完成度をあげていこう!
ダンスの振り付けを考えるときの3つのコツ
手順①〜⑤をもとに、以下を参考にしてみてください。
- ①:TPOを考える
- ②:よゆうをつくっておく
- ③:緩急をつける
では、順に解説します。
コツ①:TPOを考える
前半でお話した手順のなかで、振り付けのイメージを考えるときや選曲をするときはTPOを意識しましょう。
TPOとは、「なんの目的で、どこで、どんなふうに踊るのか」です。
例えば文化祭なら下記のようになりますね。
- 目的:文化祭を盛り上げる
- 場所:学校のステージ
- 人数:5人くらい(例)
もし文化祭なら、みんなが盛り上がれるように知名度を意識して選曲することが大切です。
学校のステージにあわせた立ち位置やフォーメーションを考える必要もありますね。
一方で、もし本格的なダンスコンテストに出場するならば、自分たちの出したい雰囲気にそって選曲するべきです。
このように、「なんの目的で、どこで、どんなふうに踊るのか」をあらかじめ想定しておくと、振り付けのイメージがつきやすくなります。
コツ②:よゆうをつくっておく
振り付けの動きや立ち位置移動の時間には、よゆうをもたせるようにしましょう。
なぜなら、振り付けがごちゃごちゃに詰まっていると、お客さんが落ちついて見ていられないからです。
同じ理由で、立ち位置移動があわただしいのもあまりよくないです。
反対に、よゆうがあると踊り手の気持ちも落ちつきますし、見ているほうの気持ちも落ちつきます。
むりやり振り付けをいれるのであれば、お客さんを”あおる”場面や、あえて音楽にのるだけの場面をいれるような工夫をしてみましょう。
コツ③:緩急をつける
お客さんを飽きさせない意味で、振り付け全体をとおして「緩急」を意識するとよいです。
例えば、サビを見せ場にしたいのであれば、サビ前の動きは激しくしすぎない。
「とまる・ゆるめる」のメリハリをつけて踊る。
こういった緩急を意識すると、振り付け全体がきちっと締まるので、見ているほうも心地よいです。
「ロボットのようなカチカチな動きをしろ」というわけではなく、必要におうじて緩急やメリハリを意識すると完成度はあがります。
- ①:TPOを考える
- ②:よゆうをつくっておく
- ③:緩急をつける
まとめ:ダンスの振り付けの考え方は人それぞれでOK
記事のポイントをまとめます。
振り付けをつくる手順は以下のとおり。
- 手順①:ざっくりとイメージをつかむ
- 手順②:曲を決め、区切って書き出す
- 手順③:動きをいれていく
- 手順④:立ち位置や構成を合わせる
- 手順⑤:動画を撮って修正する
情報量がおおいので、よくわからなかった部分はぜひ何度か読みかえしてみてください。
それから、本記事で解説した『振り付けの考え方』はあくまで参考程度でOKです。
というのも、振り付けの考え方は人それぞれだからです。
なかには、「曲を聴いたら振り付けがイメージできて、踊ってみたら完璧だった」という強者もいたりします。
もちろん僕にはできないですが、要するに、やりやすい方法で進めてもらえれば問題なしです。
というわけで、今回はここまでとなります。
本記事が少しでも参考になれば幸いです。