ダンスのカウントって何?
カウントはどうやって数えるの?
カウントが取れるようになる方法を教えて。
こんな疑問にお答えします。
記事を書く僕のダンス歴は6年目。
これまでにはインストラクター等の経験があります。
今回はそんな僕が、ダンス初心者の方に向けてカウントの仕組みや数え方を解説し、カウント取りの練習方法についてもまとめました。ぜひ参考にしてください。
ダンスのカウントとは?【仕組みを解説】
カウントとは、「数える」の意味ですが、ダンスの世界では音楽のテンポや拍子(ビート)を数えるときにカウントを使用します。
カウントを使用するメリットは、音楽のテンポが取りやすかったり、動きを合わせやすかったりすること。
下記の動画を例に説明します。
メトロノームが「カチ、カチ」と鳴っていますが、もしカウントがなければ「1回目のカチのとき」、「7回目のカチのとき」のように数えることになりますね。
メトロノームなら「カチ」という音だけなので単純ですが、実際の音楽は「ドン」「ツ」「ドド」「カ」のように、いくつもの音が混ざり合っています。
複雑な音を「1回目のドンの音」、「3回目のドの音」なんて数えていたら、永遠に振り付けが進みません。
そこで、一定のリズムに沿って「カウント」を取るわけです。
カウントという共通の数え方があれば、音の種類がちがっても「1でこの動き」、「2でこの動き」と理解しやすいのですごく楽になりますよね。
オンカウントやエンカウントについて
ダンスの世界で使われるカウントについて、基本的なところから解説していきます。
まずは、「オンカウント」と「エンカウント」について実際に手を動かしながら理解していきましょう。
下記のメトロノームが「カチ」と鳴るタイミングに合わせて”手拍子“をしてみてください。
ここで手拍子したタイミングが、「オンカウント」や「表拍」と呼ばれるものです。
「ワン、ツー、スリー、フォー…」と数えます。
つぎに、手拍子のタイミングを変えて、「カチ」と「カチ」のあいだにある”無音の時間に手拍子“をしてみましょう。
「カチ→手拍子→カチ→手拍子→カチ→手拍子→カチ→手拍子」です。
ここで手拍子したタイミング(無音の拍)を「エンカウント」や「裏拍」と呼び、「(ワン)、エン、(ツー)、エン…」と数えます。
オンカウントとエンカウントについて図でまとめたので、参考にしてください。
ここまでは大丈夫そうですか?
つぎは、カウントを数えるときの言い方(呼び方)をおさえましょう。
カウントの言い方(呼び方)
前提として覚えておくことは、さきほど解説した「オンカウント」と「エンカウント」の数え方です。
- オンカウント:「数字」で数える(ワン、ツー…)
- エンカウント:「エン」で数える(◯、エン、◯、エン…)
基本的にダンスの世界でカウントを言うときは、オンカウントの数字を使います。
例えば、「フォーカウント」と言われればオンカウント4つ分の長さのことで、「エイトカウント」ならばオンカウント8つ分です。
もし「エイトカウントの振りを作って」と言われたら、ワンからエイトまでの振り付けをつくるということになります。
ワンエイト(1×8)とは?
カウントを数えるにあたり必ず使われるのが「ワンエイト(1×8)」という単位です。
これは、8個のオンカウント(エイトカウント)を1つの区切りにしていて、ツーエイトならば「8カウント×2セット」という意味になります。
図をご覧ください。
例えば、鉛筆は12本で「1ダース」と言いますよね。
ダンスの場合は、8カウントで「ワンエイト(1×8)」という単位を使います。
図にある通り、音楽は1×8がずっと続いていくようなイメージです。
カウントの書き方
「個数×8」で書かれることが多いです。
前後を入れ替えて「8×個数」と書かれることもあります。
例えば、ワンエイトなら「1×8」、フォーエイトなら「4×8」です。
16ビート・32ビートとは?
ダンスを踊るときには「16ビート」という音の取り方がよく使われます。
かんたんにいうと「16ビート」とは、オンカウント8個とエンカウント8個、あわせて16個のビートのことです。
例えば、ワンエイトというのはオンカウントの数字で数えると「1×8」ですが、実際のビート数はエンカウントもあわせると「16」になります。
なんとなくわかりますか?
もし「この1×8は16ビートを入れて踊って」と言われたら、「踊る長さは1×8だけど取る音は16個のビート」ということになります。
念のためいっておきますが、「16ビート=2×8」ではありません。
ちなみに、32ビートと言われれば、1×8のうち32個のビートを取ることになります。
ただ、ほとんどの場合は使いません。
ちょっとややこしいですが、重要な部分なのでしっかりおさえておきましょう。
カウントが取れるようになる3つの方法
カウントの仕組みについて理解できたら、実際にカウントを取る練習をしましょう。
以下3つの練習方法を紹介するのでぜひやってみてください。
- 手拍子で理解する
- ドラムビートに合わせる
- 音楽に合わせる
順に解説します。
①:手拍子で理解する
前半でも紹介した、メトロノームを使ってカウントを取る練習です。
動画1再生分くらい手拍子でカウントを取る練習をしましょう。
半分ずつでもOKですが、オンカウントとエンカウントに分けて練習すると良いです。
メトロノームのテンポを変えると、さらにカウント取りが上手にできるようになります。
動画のBPM(テンポ)は90なので、余裕のある方はBPM100以上のリズムでも練習してみましょう。
なお、下記の無料アプリなら簡単にテンポを変えられるのでオススメです。ぜひ使ってみてください。
②:ドラムビートに合わせる
ドラムビートにはさまざまな音の種類が含まれています。
実際の音楽により近いので、まずはこれでカウントを取れるように練習しましょう。
下記のドラムビートはBPM90なので、さきほどのメトロノームと同じリズムでカウントが取れるはずです。
ポイントは、音楽の「ドン」「タン」の音でしっかりとカウントを取ること。音が複雑になっても、テンポを意識して一定にリズムをキープできるようにしましょう。
ちなみに、上記のビートで小さく聞こえる「チチチチ」という音を取ると「16ビート」の練習ができます。
オンカウントとエンカウントを聞き分けたうえで、16ビートも感じられるとなお良いです。
③:音楽に合わせる
単純な音やドラムビートでカウント取りができたら、音楽に合わせてカウントを取ります。
最初は下記のようなゆっくりとした音楽で練習すると良いですが、慣れてきたらさまざまな音楽でも練習しましょう。
まとめ:ダンスの第一歩【カウントの仕組みを理解しよう】
カウントの仕組みやカウント取りの練習方法について紹介しましたが、すぐに理解するのは難しいですよね。
しかし、カウントの理解がないと英語を知らずにアメリカにいくようなもので、けっこう大変な思いをします。
それくらいダンスにおいてカウントの認識は必須なので、少しずつ理解していきましょう。
というわけで、今回はここまでとなります。
本記事が少しでも参考になれば幸いです。