ダンスを独学でやりたいけど、なにから始めたらいいの?
そもそも独学でうまくなるのってムリかな?
こんな疑問にお答えします。
記事を書いている僕のダンス歴は6年ほど。
これまでにはインストラクターやコンテストでの受賞歴があります。
今回はそんな僕が、ダンスを独学で習得したい方に向け、ダンスを独学ではじめる手順や上達する10のコツをお話していきます。「ダンスは独学じゃムリかな…」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
ダンスは独学でも上達できる【メリット・デメリットあり】
まず結論として、ダンスは独学でも上達できます。
そういえるのは、実際に、トッププレーヤーとして活躍されている方のなかに、独学で習得したという方もいるからです。
とはいえ、独学にはメリット・デメリットの両方があるのも事実です。もし独学を考えている方は、それらをあらかじめ知っておくと良いでしょう。
独学のメリット
3つあります。
メリット①:自分のペースで学べる
趣味としてつづけるにしても、本気で上達を目指すにしても、自分のペースで学べるのは利点ですね。
メリット②:費用がかからない
独学であれば基本的に費用はかからないです。
ダンスシューズや練習着の費用は最低限かかりますが、おおきな金額になることはないでしょう。
メリット③:オリジナリティが身につきやすい
オリジナリティとは、「個性」や「自分らしさ」のこと。
実は、ダンスにおいて評価されるのは、「ダンスがうまい人」ではなく「自分らしく踊っているダンサー」です。
[box05 title=”ひとこと”]ダンスは自己表現の世界なので、「自分らしく踊っているかどうか」が評価のポイントになるわけです。[/box05]
なぜ独学でオリジナリティが身につきやすいのかというと、それは「自分で考える」という姿勢が身につくからです。
たとえば「自分はどのように踊りたいのか」「その踊りをするためにどんな練習をすべきなのか」。こういった姿勢で練習に取り組むことができます。
もちろん最初からできるわけではないですし、熱量にもよりますが、「独学でもうまくなりたい」という気持ちがある方にとっては、オリジナリティが身につきやすい点はおおきなメリットです。
独学のデメリット
こちらも3つあります。
デメリット①:挫折のリスクがある
独学者のいちばんの壁は「挫折」です。
たとえば「練習してるのにうまくならない」「練習がつづかない」など、心が折れてしまうリスクがあります。
とはいえ、あらかじめ「独学だとそういった可能性があるんだ」と知っておけば、メンタルダメージは小さいでしょう。
また、記事の後半では、上達するための練習のコツ・ダンスを習慣にするコツをまとめているので、ぜひ活用してください。
デメリット②:上達は遠回りになる
スクールに通う生徒と独学者をくらべると、最初の上達スピードは「スクール」のほうがはやいです。
なぜなら、スクールではプロのインストラクターがやるべき練習を教えてくれたりアドバイスをくれたりするからです。
とはいえ、独学では上達できないという意味ではなく、スクールに通うことにもデメリットがあります。
そのデメリットとは、オリジナリティが身につかない可能性があることです。
[box05 title=”復習”]オリジナリティとは「個性」のこと。
本来ダンスで評価されるのは「自分らしく踊っているかどうか」です。[/box05]
なぜスクールに通うと、オリジナリティが身につかない可能性があるのか?
それは「自分で考えなくなるから」です。
実際に、スクールに通う生徒のおおくは、「先生が絶対」「先生のいうとおりにすればいい」と、現状に満足してします(※全員というわけではない)。
しかし、くり返しですが「自分はどう踊りたいのか」「どんな練習が必要か」を自分で考えなければ、成長はある程度のところでストップです。
そういう意味では、独学だと最初の半年〜1年くらいは成長を感じにくいですが、自分で考える姿勢さえ忘れなければ、スクールの生徒を追い越すことも不可能ではありません。ウサギとカメの話でいうなら、独学者はカメのイメージです。
デメリット③:練習場所が確保しにくい
練習場所は大きく激しく踊っても問題ないところが理想で、自宅でひっそりと練習するだけでは、上達はむずかしいです(ダンスジャンルにもよる)。
なぜなら、騒音やスペースに気をつかって動きがちいさくなると、からだに負荷をかけられないからです。
解決策の例として、僕は、自宅近くのビルや大学のおおきな窓を鏡代わりにしたり、寒いときは市民センターや地下歩道で練習してました。
こんな感じで、大きく激しく踊れそうな場所があるか、事前に確認しておくとよいでしょう。
ダンスが独学で上達する方法【6つのステップで解説】
以下のとおりです。
- とりあえず踊ってみる
- 最低限の知識を理解する
- ストレッチや筋トレをする
- ダウンとアップを覚える
- 基礎練やステップ練をする
- 振り付けや即興で踊る
なお、上記は運動経験ゼロの方や完全初心者向けの内容なので、場合によっては手順どおりでなくてもOKです。
とはいえ、どれも大事なポイントなので、経験者であっても練習の見直しとして目をとおしてみてください。
①:とりあえず踊ってみる
MVの完コピ、YouTubeにある振り付け、なんでもOKなのでとりあえず踊ってみましょう。
なぜかというと、これからダンスをつづけていくなかでもっとも重要なのは「楽しい」という気持ちだからです。
実際に、ダンスをつづけていると、上達できず悩むときやモチベーションが失せるときがかならずあります。
そんなときに「ダンスの楽しさ」を思い出すことができれば、またがんばろうという気持ちになれるので、まずは「ダンスの楽しさ」を知りましょう。
余談:僕のきっけはEXILEです
実は、僕がダンスを始めようと思ったのは、EXILEの「Choo Choo TRAIN」を文化祭で踊ったことがきっかけです。
いまでこそEXILEのようなスタイルでは踊ってないですが、あのときにダンスの楽しさを知ることがなければ「いまの僕はない」と断言できます。
こんな感じで、やりたいダンスジャンルが変わってもまったく問題ないので、まずはとりあえず踊って、ダンスの楽しさを知るきっかけにしましょう。
②:最低限の知識を理解する
最低限の知識とは「カウントの数え方」です。
カウントとは、音楽(リズム)の周期を数えることで、振り付けを合わせたり動きを教えたりするときに使われます。
たとえるなら「共通の言葉」です。
日本人が会話するときは「日本語」を使うように、ダンスの場合は共通の言葉として「カウント」を使います。
カウントの数え方はけっしてむずかしくないですが、それを知らないとなにもはじまらないので、最低限の知識として覚えておくべきです。
なお、カウントの数え方については以下の記事で解説しているので、「カウントってなに?」という方はかならず読んでおきましょう。
③:ストレッチや筋トレをする
実は、ダンスに必要な筋力は、ダンスをしていると勝手についていきます。
ですので、筋トレは必須ではありません。
運動経験ゼロでからだを使うことに慣れていない方は、やっておくとよいでしょう。
しかし、ストレッチについては運動経験に関係なく、必須です。
- 筋トレ:運動経験ゼロならやったほうがよい
- ストレッチ:運動経験があっても必須
くり返しですが、ダンスに必要な筋力は練習していればついていくので、あえて筋トレをする必要はないです。
しかし、ストレッチについては、やらないと筋肉がどんどん硬くなったりケガをしたりするので、パフォーマンスが低下します。
目安として、ダンスの練習をするときの最初のメニューは、すくなくとも10分くらいのストレッチをおこないましょう(筋トレもするのであれば+5~10分くらい)。
なお、筋トレやストレッチの具体的なメニューについては、それぞれ下記の記事を参考にしてください。
筋トレもやっておきたい方はこちら
【必読】ストレッチのメニューはこちら
④:ダウンとアップを覚える
本格的にダンスの練習で、最初に覚えるべきは「ダウン」と「アップ」、この2つのリズム取りです。
なぜこの2つを覚えるのかというと、ダンスで使われるステップや技のほとんどは、「ダウン」と「アップ」がベースになるからです。
もちろんダウン・アップを知らなくてもステップの練習はできます。しかし、ベースのリズム取りを知らずに練習するのは、非常に効率が悪いです。
具体的なやり方は下の動画で解説しているので、しっかり覚えておきましょう。
⑤:基礎練やステップ練をする
カウントの数え方やダウン・アップのリズム取りを理解したら、基礎練習やステップの練習をしていきます。
各練習の内容は下記のとおり。
- 基礎練:リズムトレーニングとアイソレーションの継続
- ステップ練:基本ステップの習得
補足で、リズムトレは「音楽にあわせてからだを動かす能力」を身につけるため、アイソレは「からだを思うように動かす能力」を身につけるためにおこないます。
ステップ練については、基礎練をしつつ取り入れるといった感じで、まずは基本的なステップから習得していきましょう。
なお、リズムトレとアイソレの重要性や最初に覚えるべき基本ステップは、以下の記事でくわしく解説しているので、気になる方は参考にしてください。
⑥:振り付けや即興で踊る
基礎やステップを実践で使うための手順です。
練習方法はいくつかあります。たとえば下記。
- 振り付けを覚える
- 振り付けをつくる
- 即興で踊る
- バトルに出る
- 人に教える
もっともカンタンなのは、誰かがつくった振り付けを覚えることです。
実際に、ダンスの振り付けにはいろんな動きが複雑につながっていて、つぎの流れを意識しなければ上手に踊ることができません。
しかし、振り付けを反復練習することによって、基礎やステップを実用的に習得できるので、まずはカンタンな振り付けを覚える練習からはじめてみましょう。
参考までに、ヒップホップダンスの振り付け動画をまとめた記事を貼っておくので、興味があればチェックしてみてください。
【初心者必見】ヒップホップダンスの簡単な振り付け【5選で紹介】
振り付けを覚える練習をくりかえすうちに「カンタンに覚えられるようになったな」「はじめて見る振り付けだけど、すぐにできそうだな」と思えたなら、それはダンスが上達しているという証です。
振り付けをつくる・即興にもチャレンジしよう
振り付けを自作する練習。
さらにレベルアップを目指す方は、即興で踊る練習にもチャレンジしましょう。
というのも、振り付けをつくったり即興で踊ったりすると、リズム取りやステップがきちんとできているか?を再確認できるからです。
もし基礎やステップが身についていないと、流れが悪かったり動きが止まってしまったりします。とはいえ、それらをくり返していくと、すこしづつできることが増えていきます。
いきなりチャレンジするには難易度が高いですが、半年ほど練習したら「振り付けをつくる」「即興で踊る」も、視野にいれてみると良いです。
なお、それぞれの練習のコツは別の記事で解説しています。気になる方は下記を参考にしてください。
振り付けの作り方はこちら
即興で踊るための方法はこちら
ここまでのポイント
- とりあえず踊って楽しさを知ろう
- カウントを理解しよう
- ストレッチや筋トレをしよう
- ダウンとアップを覚えよう
- リズムトレとアイソレ・ステップ練をしよう
- 振り付けや即興にもチャレンジしてみよう
独学でも効率よく上達する10のコツ【練習と習慣】
すでにお話したとおり、独学とスクールを比べると、最初はスクールのほうが上達スピードがはやいです。また、独学には「挫折」という壁があることもお話したとおり。
そこで以下では、独学でも効率良く上達するための10のコツをまとめました。参考になる部分があれば、ぜひ取り入れてみてください。
練習のコツ
5つあります。
①:基礎練習を反復する
基礎の動きはカンタンで地味ですが、それを継続するかどうかで上達速度もおおきく変わってきます。
実際に、たいていのスクールでは、レッスンの最初にかならず基礎練習をおこうほど重要です。
独学だと自由に練習できるのはメリットですが、上達を考えている方は地味な基礎をつづけながら好きな練習もおこなうようにしましょう。
②:目標設定をする
目標設定には、さまざまなパターンがあります。
たとえば「〇〇さんみたいに踊れるようになりたい」という”あこがれ”のようなもの。それから「半年後には即興で踊れるようになる」「コンテストで賞を取る」といった”結果”についてのもの。
このように、自分なりに目標を設定しておくと、何も考えずに練習するよりは確実にはやく上達します。
③:マネをする
「〇〇さんみたいに踊りたい」という目標や特定のダンスにあこがれのある方は、「マネをする練習」もしてみましょう。
なぜかというと、ダンスがうまいひとのマネをすると、からだの使い方や音楽の取り方を盗むことができるからです。
実際に僕も、やってみたいなと思うダンスを真似するようになってから格段に上達できました。
コピーしたものを自分のものとして世に出すのはNGですが、練習の段階ではまったく問題なし。その意味でも、目標設定にはおおきな意味があります。
④:動画を撮る
振り付けや即興で踊る練習をするときは、自分のダンスを撮影するとよいでしょう。
そうすることで、改善点を見つけることができるからです。
ダンスでは「自分が思っている以上に動けていない」ということがよくあるので、「動画を見返す→改善する」をくり返しましょう。
⑤:負荷をかける
とくに自宅で練習している方は「負荷がかかっているか?」をしっかり確認しましょう。
練習の負荷が軽すぎると、おおきく力強く踊るための筋力をつけることができないからです。
もちろんジャンルにもよりますし、おおきく踊るだけが良いわけではありません。しかし、基本的には「負荷」を意識しなければ、パフォーマンスの限界値があがりません。
常に全力で踊る必要はないですが、ときどきは負荷を意識した練習も大切です。
負荷の目安は、「息があがる」「からだに力が入らなくなる」くらいをねらうと良いです。
習慣のコツ
独学者の壁である「挫折」を乗り越えるため、ダンスを習慣にする5つのコツを紹介します。
①:なにより楽しむ
僕もそうですが、練習ではうまくいかないことのほうがおおかったりします。
そんなときに「センスないわ…」「もうやめようかな…」と思うかもですが、それはモッタイナイです。
実際に、本記事は独学でも上達したい方に向けた内容ですが、ダンスの正解は、上達がすべてではありません。
ですので、練習に行き詰まったときや「今日は疲れてるからムリだ」というときは、変に頭を使わず「楽しむこと」も大切です。
②:ダンスをしている瞬間を増やす
まとまった練習時間が取れない方は「ちいさな積み重ね」を大事にしましょう。
たとえば、移動中にリズム取りを意識して歩く。待ち時間にステップの動きを確認する。10分だけアイソレを練習する。
こういった何気ない瞬間にダンスをする(またはダンスについて考える)ことが、のちのちおおきな成果になります。
さすがにそれだけで上達するとは言わないですが、とはいえ、意識的におこなうことでダンスを継続するきっかけになります。
③:ダンスノートをつくる
目標や練習の反省を書き込むためのものです。
ノートに改善点や気づいたことを書いておくと、つぎの練習ではそれらを意識しておこなえるので、非常に役立ちます。
また、振り付けに取り入れたいステップやかっこいい曲をメモしておくなどの使い方もでき、さらにページ数が増えるとモチベーションもあがっていきます。
いますぐペンとノートを用意しましょう。
④:SNSを活用する
SNSにダンス動画を投稿したり、練習の反省点を書き込んだりするのも良いでしょう。
実際に、Instagramではダンス独学者のアカウントを拝見することが多々あります。
もちろん最近は「誹謗中傷」などが問題になっているので、使い方には注意が必要です。
とはいえ、非公開のアカウントに設定するなどの工夫をすれば、記録用として使えます。もし抵抗がなければSNSを活用するのもアリですね。
⑤:イベントに出る・WSを受ける
いきなりチャレンジするにはハードルが高いですが、半年〜1年くらいを目安に、イベントに出たりWSを受けたりしてみましょう。
ダンスバトルやWSでは、ふだんの練習では学べないことをたくさん吸収できるので、上達に役立ちます。
ダンスイベントの情報はSNSで入手できるので、もし興味があればチャレンジしてみましょう。
ダンス独学者によくある質問
4つの質問にお答えします。
質問①:ダンスは独学でもプロになれますか?
可能です。
僕の知り合いにも、独学でプロになった方がいるので不可能ではないでしょう。
もしかすると「その人に才能があったんでしょ?」と思うかもですが、それは違います。
独学でプロになった方は相当な努力をされていますし、逆に、才能だけでプロになったというダンサーは聞いたことがないです。
もちろん相応の努力は必要ですが、独学だからといってあきらめる理由はありません。
質問②:独学で練習するなら鏡は必要ですか?
あったほうが便利ですが、なくても問題なしです。
実際に、以下のような状況では鏡があったほうが役に立ちます。
- 正しく動かせているかの練習(アイソレーションなど)
- シルエットの確認やポージングの練習
僕の経験では、これ以外は基本的に不要です。
鏡がなくても動画を撮って確認できますし、鏡を代用する方法もたくさんあります(駅やビルなど)。
とはいえ、あくまで僕としては不要かな、という感じなので、購入するかどうかはご自身で判断してくださいませ。
質問③:ダンス独学者におすすめの教材ってありますか?
おすすめの教材は下記です。
こちらは僕がダンスを始めたときに使っていた教材でして、ダンスの基礎を練習できます。
いまどきはYouTubeでもレクチャー動画はたくさん見れますが、「なにをどの手順でやればいいの?」まではわかりません。
教材であれば、ある程度まとまった内容で練習できるので、やるべきことが明確になります。
YouTubeの動画は、教材の補助として活用すると良いでしょう。
質問④:ダンスを趣味にしたいんですが、独学ではムリですか?
そんなことはないです。
むしろ趣味で楽しみたいというくらいが、ダンスを継続するにはちょうどいいかもです。
趣味でもそれなりに上達はできますし、ダンスに興味があるならばいますぐ始めましょう。
まとめ:ダンスの独学はムリじゃない。楽しくつづけよう。
本記事の内容をおさらいです。ダンスを独学ではじめる手順は以下のとおり。
- とりあえず踊って楽しさを知る
- カウントを理解する
- ストレッチや筋トレをする
- ダウンとアップを覚える
- 基礎練(リズムトレとアイソレ)とステップ練する
- 振り付けや即興にもチャレンジしてみる
といった感じで、まず最初の半年〜1年は、基礎体力づくり・基礎練・ステップ練・振り付けの練習。これらをやってみるとよいでしょう。
とはいえ、くり返しですが、なによりも大切なのは「楽しむこと」。
楽しく継続してたら上手くなってた。
最終的にダンスはそんなもんです。
本記事を読んで変に悩む意味はないので、あくまで参考程度にしてみてください。
大切なのは「楽しく継続」です。
というわけで、今回は以上となります。