K-Popダンスの基礎ってなに?
どんな練習をしたらいいのか知りたい。
今回はこんな疑問にお答えします。
本記事では、現役ダンスインストラクターである僕の経験をもとに、K-Popダンスの基礎についてまとめました。
「基礎をしっかり身につけてK-Popダンスが踊れるようになりたい!」という方はぜひ参考にしてください。
【K-Popダンスにも欠かせない】全ジャンル共通の基礎
まずは、どんなダンスをおこなうにしても欠かせない共通の基礎を3つ紹介します。
K-Popダンスだけでなく、その他のジャンルの土台にもなるので、超重要な内容です。
基礎①:基礎体力
ダンスそのものの話ではないですが、ダンスをするための土台、つまり踊れるからだのことです。
実際に、ダンスでは振り付けを踊りきるための体力(持久力)、力強く踊るための筋力、しなやかに踊るための柔軟性が求められます。
「からだを鍛えれば鍛えるほどうまくなる」というわけではないですが、最低限の体力や筋力、柔軟性は重要です。
基礎体力は自然に身につく
実は、ダンスに必要な基礎体力は、ダンスを一生懸命やっていれば自然に身についていくので、そこまで不安になることはないです。
ただ、運動経験ゼロという方や体力に自信がないという方は、練習の一環としてトレーニングをしておくと良いでしょう。
なお、具体的なトレーニング方法の例は、下記のとおりです。
- 好きな曲を全力で踊って体力をつける
- 筋トレ・体幹トレで筋力をつける
- ストレッチで柔軟性を高める
なお、トレーニングメニューは、YouTubeにあるエクササイズ系の動画でもなんでもOK。大事なのは「継続」で、軽い負荷でも続けられそうなメニューにすることがポイントです。
理由は、そもそもダンスに必要な基礎体力は、ダンスをしていれば身につきますし、トレーニングは補助的な役割だからです。
ボディビルダーを目指すなら、ガッツリ鍛えるメニューが好ましいですが、ダンスではそこまでのトレーニングは必要ありません。
いきなり長時間のトレーニングや負荷の大きいトレーニングはせず、5分10分でも続けられるメニューをおこないましょう。
僕がオススメする各トレーニングの動画も載せておくので、ぜひ参考にしてください。
※別の動画でもOKです。
体力に自信のない方はこちら
筋力に自信のない方はこちら
ストレッチ動画はこちら
②:リズムトレーニング
リズムトレーニングとは、リズムに合わせてからだを動かすトレーニングのことです。
どのジャンルでもそうですが、ダンスでは音楽と動きがマッチしてこそ「完成度が高い」といえます。
つまり、完成度の高いダンスを踊るには、音楽にあわせてからだを動かす能力を高めることが重要です。
具体的にリズムトレーニングの基礎では、「ダウン」や「アップ」という動きを音楽にあわせることからはじめます。やり方は下記の動画を参考にしてください。
③:アイソレーション
ダンスでいうアイソレーションとは、からだの特定の部位だけを動かす技術を指します。
基礎練習でアイソレーションをおこなう理由は、からだを思ったように動かす能力(ボディコントロール)を高めるためです。
実際にダンスでは、音楽にあわせて意識したとおりにからだを動かすことが求められます。
ダンスを続けていくと、すこしづつ複雑なうごきを覚える場面がやってきますが、その土台となるのがアイソレーションです。
下記の動画を参考に反復練習してみましょう。
K-Popアイドル練習生がやっているダンスの基礎
全ジャンル共通の基礎と同時に、K-Popダンスで求められる基礎も反復練習しましょう。
なお、ここに関してはJYP Entertainment(2PMやTWICE、ITZY、NiziUを生み出した大手芸能事務所)が公開している『JYP出身なら誰でも知ってる基礎ダンス』をもとにお話していきます。
下記、基礎ダンスの動画です。
実はこの動画、基礎ダンスとは言いつつも、いくつかの動きを組み合わせているものがほとんどなので、「初心者の方にはむずかしいのでは?」という印象です。
そこで以下では、動画で使われている動きを僕なりに分析し、複雑になっていない基礎の動きを7つ紹介していきます。
『基礎ダンス』の動画がむずかしいと感じた方は、以下の内容を参考にするとできるようになるかもです。
ダウン・アップ
曲をとおしてダウン・アップのリズム取りがベースになっています。
すでにお話したとおり、リズムトレーニングは「ダンスの命」ともいえるので、何度も反復練習しておきましょう。
ボディウェーブ・サイドウェーブ
ウェーブとは、からだに波がとおっているように見えるテクニックで、基礎であるアイソレーションを応用したものです。
動画では、上半身から下半身、下半身から上半身にとおす「縦のボディウェーブ」、からだの横にとおす「サイドウェーブ」の3パターンが使われています。
それぞれのやり方は下記を参考にしてください。
ボディウェーブの参考動画はこちら
サイドウェーブの参考動画はこちら
ウェーブ系のテクニックは、それだけを練習するよりも基礎となる「アイソレーション」の精度をあげると完成度が高くなります。
ビズマーキー(別名:ニュージャックスウィング)
ビズマーキーとは、ヒップホップダンスでよく使われる基本ステップで、動画内では手の動きをアレンジして使っています。
基本的なやり方は、下の動画を参考にしましょう。
ファーマー
ファーマーは、ハウスダンスの基本ステップで、動画内では手を上げたり広げたりするアレンジがされています。
難易度はやや高めですが、下の動画を参考に練習してみましょう。
ソウルダンスのリズム取り(仮名ダブルアップ)
ダブルアップとは、胸でアップのリズム取りをキープしながら、下半身ではアップ・ダウンの両方をおこなうものです。
独特な動きで難しいかもしれませんが、下の動画を参考に練習してみてください。
この動きに関しては、正式な名前が見つからなかったので、僕が教わったときに聞いた「ダブルアップ(仮)」で記載しています。
ブルックリン(別名:アロー)
ブルックリンとは、ヒップホップダンスの基本ステップで、動画内ではベーシックな形で使われています。
やり方は下の動画を参考にしてください。
ツーステップ
実はツーステップは、ダンスジャンルによってちがう動きをすることがあり、『基礎ダンス』のなかで使われているのはブレイクダンスのツーステップです。
下の動画では、ヒップホップ・ブレイク・ハウスで使われるツーステップのやり方を解説しているので、ぜひ練習してみてください。
K-Popダンスの基礎を身につける練習手順
「ここまでの内容をどんな手順で練習したら良いの?」という疑問がある方に向け、基礎を身につけるための4つの手順をお話していきます。
①:基礎を頭で理解する
まずは「K-Popダンスの基礎ってなに?」という疑問をなくしましょう。
具体的には、本記事(特に前半)の内容を何度か読み返します。
「どんなことをするのか?」「どんな目的があるのか?」をざっくり理解できたら②のステップです。
なお、どんなジャンルにも共通する基礎については、本記事よりもさらにくわしく解説した記事があります。ダンスの基礎についてより理解を深めたい方は下記も参考にしてみてください。
②:からだを動かして反復練習する
実際にからだをつかって取り組んでみましょう。
具体的な順序は下記のとおりです。
- ①:動き方・動かし方を覚える
- ②:動画に合わせて練習する
- ③:正しくできているか確認する
まずは、動きを1つずつ覚えます。
たとえば、アイソレーションというメニューでも、首の動かし方、胸の動かし方…というように、細かく分けて覚えていきます。
なんとなく動かし方がわかったら、参考動画などを見ながら「からだづくり」「リズムトレーニング」「アイソレーション」をひととおりおこないます。
※基礎トレをひととおりできることが理想ですが、時間のない日は「筋トレの日」「リズムトレの日」「アイソレーションの日」としてもOKです。
ひととおり取り組むときは、鏡を見たり動画を撮っておいたりして「お手本どおりに正しく動かせているか」を確認しましょう。
特にアイソレーションに関しては、慣れないうちは動かしたいところ以外も動いてしまいます。
もちろん最初はそれも当然ですが、動きに慣れてきたらすこしづつ精度を高めることも意識しましょう。
③:振り付けで練習する
実は、基礎練習は大切なメニューではありますが、基礎練習だけではK-Popダンスを踊れるようにはなりません。
というのも、あくまで基礎練習は、ダンスの完成度にかかわる要素を分解し(=基礎)、それを強化するためにおこうものです。
つまり、分解した各要素(=基礎)の練習だけでなく、それらをまとめた振り付け(実践)の練習もしなければ、ダンスを上手に踊れるようにならないのです。
[box05 title=”例)スポーツの場合”]
サッカーでいう実践とは試合で、動きの基礎はパスやシュートになります。
もしサッカー選手が、自主練習でどれだけパス練習をしたとしても、試合でパスをとおせるかは別の話です。
なぜなら、試合ではパスをさえぎる相手がいたり、仲間の動きも不規則になったりするからです。
そのためサッカー選手は、基礎練習ばかりでなく、試合を想定したより実践的な練習もするのです。
[/box05]
[box05 title=”ダンスの場合”]
ダンスでいう実践とは発表会やステージで踊ることで、動きの基礎はリズム取りやアイソレーションになります。
たしかに、リズム取りがわからないと音楽に合わせることができず、アイソレが身についてないとからだをコントロールできないので、この状態ではダンスの完成度は低いままです。
しかし、リズム取りやアイソレを練習して完成度をあげても、発表会などで踊るときには基礎以外のこともたくさん求められます(雰囲気や表情、仲間との一体感など)。
そういった状況を想定し、より実践的な練習として「振り付けで踊る練習」をおこなうのです。
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では、どんな振り付けを練習するのか。
それは自分が踊ってみたい曲の「完コピ」です。
TWICEやNiziUなど、どのアーティストでも良いので、振り付けを覚えて踊りきる練習をしましょう。
まずは月に1曲の完コピを目標にして、自分なりに完成度を高めていきます。
1回の練習でいうと、ウォーミングアップ→基礎練→振り付け→クールダウン(ストレッチ)の流れが理想ですが、もし時間のない日は「基礎の日」「振り付けの日」とわけてもOKです。
④:苦手を補強する
基礎練習とおなじように、振り付けを踊るときは動画を取っておきましょう。
理由は、自分の苦手な動きやダサい部分を確認できるからです。
実際に、基礎練習では「お手本どおりに正しく動かせているか」の確認をしますが、振り付けの動画を確認すると、動きだけでなく「上半身がカタい」「なんかピョンピョン跳ねてる」など、ダンスの印象や基礎以外の部分でも「気づき」があります。
- 音楽にあってない→リズムトレ
- からだがうまく使えてない→アイソレ
- 上半身がカタい→やわらかく踊る意識
- ピョンピョン跳ねてる→落ち着いて踊る
- 振り付けに追われてる→躍り込みをして慣れる
こういった「気づき」をノートにメモをしておき、次の練習では気になった部分を意識して練習する。
これをくり返していると「気づいたらダンスが上手くなっていた」という状態になります。
まとめ:K-Popダンスの基礎を練習して上手に踊ろう
記事のポイントをまとめます。
[box05 title=”K-Popダンスの基礎3つ”]
- 基礎体力
- リズムトレーニング
- アイソレーション
[/box05]
基礎体力トレーニングは、必須ではないですが、自信のない方はやっておきましょう。リズムトレ、アイソレについては、ダンスの完成度を高める必須の練習となります。
[box05 title=”基礎を身につける手順”]
- 基礎を頭で理解する
- からだを動かして反復練習する
- 振り付けで練習する(実践)
- 苦手を補強する
[/box05]
という感じで、K-Popダンスの基礎を身につける方法を解説しました。
本記事の内容はあくまで僕なりの考察ですが、すこしでも参考になれば幸いです。
また、ダンスの練習に関する質問などがあれば『お問合せフォーム』よりお問い合わせくださいませ。可能な限りお答え致します。
というわけで、今回は以上となります。